お手本.com お役立ちコラム

「書く力」がつくまでの子供の成長ロードマップ(4~5歳)

 
過去2回にわたり、子どもの言葉の発達について解説しました。
 
子どもが言葉を習得し自由に操れるようになるには「聞く」→「話す」→「読む」→「書く」の順番が大切です。
 
3歳ごろまでに少しずつ「読む力」が芽生えてきた子どもは、いよいよ「書く力」につながっていきます。
 
 
<4歳頃になると一気に増える「読む力」>
 
4歳前後になると、幼稚園の入園などで集団行動や同年代の子と関わる機会が急激に増えます。
 
今まで以上に「聞く力」「話す力」をフル活用すると同時に、園ではたくさんの文字に触れます。
 
筆者の息子はよくお友達と、名札に書かれたお互いの名前を読み合っていました。
 
このような環境から、4歳前後には一気に「読む力」がアップします。
 
また、この年齢になると「音韻認識」が発達します。
 
音韻認識とは、言葉がいくつの音で分けられているかを認識できる力のことです。
 
音韻認識があると、「あひる」が「あ」「ひ」「る」の3つの音に分けられていると理解できます。
 
幼い子が「テレビ」を「テベリ」と言い間違えてしまうのは、音韻認識が弱いためです。
 
音韻認識は、これから言葉を読み書きする上でも大切な力となります。
 
 
<5歳前後でひらがなが書けるように>
 
なぞり書きや音韻認識ができるようになると、ようやく最後の「書く力」につながります。
 
何度も見て、聞いて、話してきた文字を自分で書くことは、子どもにとっては新しい文字との出会いと体験です。
 
最初は枠や線からはみ出たり、バランスが悪かったり、鏡文字になったりするでしょう。
 
それでも子どもが満足気に見せてくれたら、大いに褒めてあげてくださいね。
 
子ども自身が「文字を書くって楽しい!」と思えるよう、長い目で見守ってあげましょう。
 
 
<「書く力」は言葉の成長がすべてつながった集大成>
 
全3回にわたって、子どもの言葉の発達のしくみについて解説しました。
 
子どもの「書く力」が備わるには、胎児の頃から始まる「聞く」「話す」「読む」すべての力がつながっています。
 
もちろん個人差があるので、すべての子どもが同じ段階で成長するとは限りません。 
「もう5歳なのにまだ全然文字に興味を示さない!」なんて子も少なくないですよ。
 
子どもがなかなか文字が書けなくて悩んでいるママは、その一点だけを見るのではなく、今までの成長段階を線でつなぐように考えていくと、今の子どもに何が必要かが見えてくるかもしれませんね。