習字を習うことのメリットを知りたい!一部上場企業の指導者も悩む「悪筆」の問題
「習字」は習い事のひとつであり、多くの人が親しんでいるものだといえます。ちなみに、一番書道人口が多い県は岡山県だそうです。
現在はパソコンの普及やスマートフォンの普及もあり、「わざわざ習字を習わなくても良いのではないか」と感じる人も出てきています。
しかし習字を習うことで、コンプレックスをひとつ解消できるのも事実です。
実際のエピソードを交えてお話ししていきましょう。
◆一部上場企業の指導者を悩ませる「自身の悪筆」
一部上場企業で、社員を指導する立場にある40代の男性のエピソードです。
理系の大学~大学院を卒業し技術系の仕事に就いた彼は、一般的な学生さんよりも文字を書く頻度は少なかったと語っていました。パソコン黎明期に生まれ、パソコンが一般化していった時代に大学生活を送り、その恩恵を存分に受けてきたからです。
しかしそんな人であっても、「文字をまったく書かないで人生を送ること」は不可能です。
年賀状の宛名書きなどはパソコンに任せられますが、祝儀袋・不祝儀袋・芳名帳での署名はそうもいきません。
また指導者の立場になってからは若手の前で文字を書くことも多く、そのたびに自分自身の悪筆が気になっているそうです。実際、目上の立場の人から、「君は成績は良いけれど、小学生みたいな文字を書くね。文字が汚いと、なめられるから損だよ」というアドバイスを受けたとか……。
◆ほかにも習い事はたくさんあるけれど……
このようなこともあり、「学生時代は『文字なんか汚くても良いだろうが』と思っていたけれど、責任のある立場になってからは文字の汚さがコンプレックスになっている」と語っていました。習字は子どものためだけではなく、子どもが成長して「大人」になってから役立つものでもあるのです。
もちろん、先にも述べたように、習字はあくまで「習い事のひとつ」です。「習字はほかの習い事に比べて優れている」「嫌がる子どもにも、必ず習わせなければならないもの」ではありません。ただ、大人になってから抱えるコンプレックスがひとつ少なくなるように、子どものころから習字に親しむのは非常に意味のあることだといえます。また、「美しい文字を書けること」は、子ども自身の自信の形成にもつながることでしょう。